「おい、俺のロッカーのカギ知らないか」と同僚から、私に電話がかかってきました。
その日は私は休暇で家でくつろいでいた時のことです。
同僚のロッカーは私の隣にあります。
同僚はロッカーのカギを閉めたら、そのカギを机などにしまわないでロッカーの上に置いて帰る習慣がありました。
要するに無精で面倒くさい。
ロッカーの上に置いていたらカギをとってロッカーをすぐ開けられるというわけです。
この日出勤した同僚は、いつものようにカギを取ろうとしてロッカーの上に手を伸ばしたのですが、カギがない。
椅子を持ってきてロッカーの上を覗いてもない。
最後はロッカーを力ずくで動かして裏まで探したけど見つからなく、私がうっかり持って帰ったのではないかと疑って、私に電話をしてきたのです。
当然私には身に覚えのないことなので知らないと答えました。
同僚はあちこち別の同僚に電話をかけまくっていたみたいですが結局カギは見つからず、カギ屋を呼んで合い鍵で開けてもらい、その合い鍵を買い取ったのだそうです。
さて、しばらくして、私も休暇が終わり出勤、私服のポケットに手を入れてみると何やら知らないカギが出て来たではありませんか。
思わず同僚のロッカーに差し込むとぴったり合ってしまいました。
どうやら私は何かのはずみで同僚のロッカーのキーをポケットに入れてしまったようです。
これはしまった、同僚から電話があったときに知らないと即答してしまったが、私服のポケットを念のために調べておけば良かったと後悔しましたが後の祭りです。
そして、知らん顔をしとけばよかったのですが、やはり同僚にカギがあったよと打ち明けてしまったのです。
同僚はどこで見つけたのって当然聞きます。
そこで私は「うっかり持って帰ってしまっていた。
申し訳ない。
カギ屋に払った分は自分が負担する」と言ったのですが同僚はカギをロッカーの上に置いていた自分にも非があると言って、許してくれました。
カギのことで悩まないようにするためには、キーホルダーをきちんとつけて、人の触れない決まったところにきちんと保管するのが大切という教訓のお話でした。